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ハトムギとSYH15R(ハトムギ脱皮機)について

皆さんは二つの写真を見比べてどちらがハトムギかジュズダマか違いはわかりますか。

ハトムギとジュズダマは親戚

ハトムギはイネ科ジュズダマ属の一年生植物でインドシナ半島~中国南部が原産地とされ、高温多湿地域での栽培に適しています。日本では奈良時代に栽培されていた説があります。
ジュズダマはハトムギと近縁種で実の形が似ていますが、ジュズダマは殻が硬くて指で割れないのに対し、ハトムギは指で割れます。ハトムギを収穫するとジュズダマが混入していることもしばしばあります。SYH15R(ハトムギ脱皮機)で脱皮していると、殻が硬いため脱皮されず揺動板上にいつまでも滞留している粒はジュズダマで間違いありません

【写真の答え】(1枚目)ハトムギ  (2枚目)ジュズダマ

ハトムギの栽培

日本での栽培地域は広く、九州や中国地方では昔から栽培されており、北陸や北関東や東北でも栽培がさかんで、北海道においては耐寒性のある品種が改良され、道北名寄での栽培は北限でないかと思われます。
代表品種:あきしずく(全国)、はとゆたか(岩手)、はときらら(北海道)、とりいずみ(鳥取)、北のはと(北海道)、岡山在来、中里在来
ハトムギの栽培は湛水圃場(水田)、乾田圃場(畑)どちらでも可能ですが干ばつに弱い一方、播種時は圃場が乾燥していないと発芽しません。栽培時期は5月播種~10月収穫なので、水稲と栽培時期、圃場環境が重なるため転作作物として栽培されています。収穫には汎用コンバインを使用します。

ハトムギの収穫と乾燥

ハトムギ収穫直後の水分は30%以上あり、貯蔵性や品質維持のため12%以下に乾燥する必要があります。乾燥速度は割れ粒発生と関係するため、乾燥方法は生産者によるノウハウがあると思われます。乾燥後は粗選機、風選別機、揺動選別機、篩選別、石抜き選別を行って材料となる殻実が得られます。

ハトムギの構造

ハトムギの実を分解すると、殻実(籾)、殻と薄皮(籾殻)、子実(玄米)、渋皮(糠)、精白粒(白米)の5つに分かれます。 ※(  )は米に例えた表現 殻実と子実の重量比はおおむね10:6で、ハトムギ脱皮機を使用して脱皮されます。

※写真は一例です。材料や運転条件により、結果は異なります。

SYH15R(ハトムギ脱皮機)について

SYH15Rは殻実を脱皮して殻と薄皮を取り除き、子実を得る機械です。インペラ脱皮部、風選部、揺動選別部で構成され、最適な組み合わせで粒揃えが可能です。 脱皮率は良好な素材では80%以上で、50%程度でも選別可能です。

ハトムギの利用

SYH15Rで得られた子実は精米機などを用いて精白され、石機、精選別、色彩選別機、金属探知機を通して形の整った精白粒を得ることができます。
この精白粒はヨクイニンと呼ばれ、漢方薬として知られ、利尿作用やイボ取り効果、腸内環境を整えるなどの薬効があり、健康食品として市場に流通しています。

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